TOEIC小説「不思議の国のグプタ」はTOEICに親近感を持つには最適なテクニック本
読み終えて、「お見事…」と手を叩きたくなりました。「愛だな」とも思いました。
実際は親しみやすいTOEICテクニック本
TOEICで頻出するシチュエーションをうまく織り交ぜて小説に仕立て上げています。小説といっても実際はテクニック本です。
TOEICの文章やリスニングでは同じ出来事が頻繁に繰り返されます。小説中の言葉で言えば「リサイクル」です。
例えば、「飛行機が遅れる」「老人と子どもが登場しない」「出張経費の清算を期日通りしない人がいる」「渋滞は迂回で回避することがある」「求人の応募で必ず一つミスをする人々」などなど…。TOEICは面倒とか高得点を取るのは難しいというイメージが先行しがちですが、「実は同じようなことばかり起こる小さな世界のお話なんだ」という気づきが得られます。
リスニングの際に、
「あ、このラジオは渋滞のことを言っているな。迂回の話がもしかしたらでてくるかもしれないな。」
リーディングのパート7では、
「求人のダブルパッセージか…きっと何か必要な要件を満たしていんだろうなぁ、この求職者は。」
なんて具合に予想することができます。レビューのなかで「TOEICが早く受けたくなりました!」というのを見て、大げさなと思っていましたが、まんざらでもないなと思いました。
味気ないTOEICの文章が少しは生き生きしたものに変わる
テクニックうんぬんも役立つのですが、もっと良かった点は、「TOEICの世界のなかで生きる人々」を見れて、感情移入ができたことです。
「TOEICの文章は味気なくてつまらない」と言われていますが、この小説を読んだことで、少し見方が変わりました。好奇心を持って読んだり聴いたりできるようになりました。
「あ、図書館でまたイベントやってるな~。今回はなんだろう?」
「また新しいお店がオープンしたんだ。今回は何のお店だろう?」
無味乾燥なテストの文章がちょっとは生き生きとしたものに変わります。この点では、この本は「TOEICに命を与えた」と言えるかもしれません。ちょっと大げさですが(笑)。著者のTOEICへの並々ならぬ愛も伝わってきます。
TOEICを受験したことが無い人にとってはあまり面白い読み物ではないかもしれません。純粋な小説としてはそれほど面白くはないです。でも、一度でも受験したことがある人は、「うわ、それ知ってる」「ええ、そんな雑学があったんだ!」など、ちょくちょく笑ってしまいます。TOEICが、より身近に感じられるはずです。
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